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©石井新太郎(栃木県宇都宮市)
第13回 奈良県「稲淵の棚田」現地見学会報告
兵庫県・神戸市 田中哲二

年に数回開催される棚田学会の現地見学会・研究会の見学会のみに参加した。
今回は奈良県の明日香村が舞台だった。

現地での説明会の前に,棚田を散策した。田にはまだ水は入っておらず、菜の花の黄色が鮮やかに風景を彩っていた。
独特のわら積みは「すすき」という。乾燥させて畳屋に売るそうだ。菜の花は景観作物として栽培され、春に緑肥として土にすきこまれる。
棚田オーナーの活動拠点である「憩いの館」で、地元の受け入れ組織である「棚田ルネッサンス実行委員会」の役員の方からオーナー制について説明を聞いた。この地でオーナー制が始まったのは平成8年からだそうだ。きっかけはやはり住民の高齢化や減反等による耕作放棄の増加だったようだ。  明日香という土地利用上の制約の多さを逆に利用して、耕作が難しくなった農地を県が買い上げるという方法も成功の理由の1つになっているようだ。しかしもっとも重要な理由は地元の危機感と郷土愛、オーナーの継続性、そしてなんといっても「明日香」の知名度だろう。
地元のご婦人方が地元産の食材のみで作った「さらら弁当」

稲淵とその上流の栢森の入り口には、飛鳥川を渡して勧請縄と呼ばれる大綱が張られている。村内安全や五穀豊穣を祈願する風習であり、稲淵の綱には男性の、また栢森の綱には女性のシンボルをわらで作って吊り下げてある。しかし必ずしも対をなすものではないらしい。
宇須多伎比売命神社の親神にあたる飛鳥座神社の石造物や奇祭にも見られるように、昔の人は素直でおおらかであり、性に対する考えも今とはかなり違っていたのかも知れない。

明日香は大和の発祥の地である。そのすべてが日本の歴史の始まりと言っても過言ではない。
棚田見学のついでに少し歴史の見学もした。なぜこの地に大規模な棚田が作られたのかを考えるヒントになる。

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