棚田学会一行は、日本列島を寒波が襲った12月17日、18日、第1回石井進記念棚田学会賞を受賞した石部地区棚田保全推進委員会を訪問した。
海が見下ろせる「石部の棚田-石部・赤根田百笑の里-」の一番高いところでバスを降りた参加者は、折からの突風に襟を立て、背中を丸くして、農道を下って行った。案内役は、委員会メンバーをはじめ、区長、役場の課長(課長さんの相撲甚句は最高)等。
棚田は立派な石積みで、さらに大きくてびくともしない石が、田んぼの真ん中で存在感を誇示し、その横では形良く円錐に積み上げられた稲藁が、突風にも崩れないよう縄で巻き付けられ置かれていた。水路にも石がゴロゴロとしていて、枯れることのない水が豊かに流れ落ちていた。平成11年「石部地区棚田保全推進委員会」が発足し、復田した田んぼは1.4ha(4.2haをすでに開墾)に及ぶ。14年度から2ha程の田んぼで96組のオーナーを受け入れている。保全委員会の手によって造られた茅葺きの小屋、事業で建てられた環境に配慮した交流館が棚田の中にたたずみ、百笑の里をさらに魅力的にしていた。
富士山の見える石部の棚田をこれからどのように保全してゆけば良いのか?懇談会を開催し、町長、役場職員も参加して夜半まで意見を交わした。高齢化が進み後継者のいない現状に不安を隠せない保全推進委員会のメンバーに、棚田学会員は「日本一の棚田ですよ!こんなに素晴らしいとは思わなかった」「来年一年かけて、棚田の四季を写真に撮ります」「ここまで良く復田されました。仲間を連れてきっと来ます」「私たち都会の人間に、農村のことをもとっともっと教えて下さい」等々と、現地を見学した感想を述べた。その言葉に、委員会メンバーは大いに励まされ、保全への新たな決意を参加者にあらわしていた。 |