棚田学会 長崎県・福島町
トップ 棚田とは 棚田学会 学会行事 棚田情報 写真館 図書等 リンク
シンポジウム
シンポジウム
現地見学会 ・研究会
談話会
十周年記念行事
高知県・越知町
高知県・越知村
©杉野節子(高知県春野町)

平成20年度シンポジウム報告

「棚田米はどうして美味しいのか?


平成20年8月3日(日)、日本橋三越本店・三越劇場でシンポジウムが
開催されました。その報告します。

平成20年8月3日
(三越劇場)
報告者 写真 報告内容
コーディネーター
牛島 正美(棚田学会理事・全国町村会経済農林部部長)
シンポジウムの趣旨説明です。
棚田米はどうして美味しいのでしょうか!
棚田ファンの皆さまは、棚田米の美味しさを経験的に知っています。しかし、どうして棚田米は本当に美味しいのでしょうか。皆さんは、考えたことがありますか。
米の食味は、一般に、品質、産地(地形・土質・水質)、気象条件(気温・日照・降雨)、栽培法、収穫、乾燥・調製、貯蔵、精米加工、炊飯等の諸要因によって決まると言われています。現在、いろんな食味計も開発されていますが、最終的には人間が食べて判断するのがベストで、官能検査が最も基準的な評価方法とされています。
今回のシンポジウムでは、皆さんに食べて比べてもらうわけには参りませんが、棚田米の美味しさの謎に少しでも迫りたいと思い、報告者(パネラー)に棚田米の生産者、消費者、販売しているお米屋さんをお迎えし、アンケート調査結果を報告します。
報告1:佐藤藤三郎
(棚田学会理事・農民作家/山形県上山市)
棚田米は、美味しい水と空気がその源である。大規模生産農家では、米の光沢を出すため稲の早刈りをし、すぐ機械乾燥にかける。
これに比べ棚田米は、ゆっくりと天日乾燥させる。人の汗の結晶である。
そもそも稲は棚田が好きなのだ。棚田地域は昼と夜との温度差が大きく、風当たりが良い。
これで味の差がでている。
口先で「自給率向上」であってはいけない。
棚田米を皆で食べよう!
報告2:渡辺すみ子
(姨捨名月会会計/長野県千曲市)
長野県・姨捨棚田は棚田オーナーの気持ちを大切に丹精こめて棚田米を作っています。
稲刈り後、はざに掛けた稲穂はまだ生きています。自然乾燥をしながら、月の雫を受け、じっくり成熟するので美味しいです。
幸せとは、究極において心の問題。
棚田米はどうして美味しいのか?
究極において作る人の温かい心づかいの問題です。
報告3:中山 茂廣
(蕨野棚田保存会前区長/佐賀県唐津市
地球温暖化で平坦部の米に品質低下をもたらしている。一方、蕨野棚田は、急峻な南向き棚田で、しかもすり鉢状になっており昼は暖かく夜は八幡岳からの夜間の冷風による「昼夜の温度差」、そして山からの湧水が低タンパクの米を育てている。併せて、乾燥籾摺りの工夫で美味しさを保っている。
生産者として以下のことを考えている。和食を見直し、米の消費拡大を!そうすれば、農業の活性化、自給率の向上に繋がる。
報告4:木戸 幸子
(棚田ネットワーク理事/神奈川県横浜市)
来年の棚田サミット会場である新潟県・十日町の「星峠の棚田」の紹介と、その地での自身の活動の紹介がありました。
NPO法人棚田ネットワークでは、全国の棚田米を取り寄せ、小パック詰めにして広く配っている。生産者の顔が見える棚田米など、広く社会に知って頂く活動の紹介がありました。
棚田地域からの恩恵を、都市住民はもっと感じて、もっと考えて欲しいのメッセージがありました。
棚田米はどうして美味しいのでしょうか!
それは、棚田地域で生産者から聞く力強い言葉「うちの米は日本一!」です。
報告5:成川 亮治
(成川米穀代表取締役/神奈川県川崎市)
自身の米穀店で販売している棚田米は、棚田地域に赴き、生産者の仕事・顔を見て、購入している。そして、消費者の声・顔を見て販売している。生産者と消費者とを結ぶ米穀店である。店内ではモニターで棚田・生産者の紹介をしている。
棚田米はおいしいといっても店頭で、お客様に説明するのは、簡単なことではない。
各種イベントで「食べ比べ」をやっても結果はまちまち。ましてや計測器では測れないという。
棚田米はどうして美味しいのでしょうか!
つくる人、売る人、食べる人の共通の調味料「信頼」です。
報告6:山岡 和純
(棚田学会理事・東京大学特任准教授)
棚田米の食味アンケートを販売店の協力を得て行った。アンケート数は457通である。
棚田米を実際に食べた後の消費者アンケート結果の評価・分析の報告があった。
棚田米が普通のお米より美味しいというイメージがある人が多い。
棚田米が購入できることは、口コミ・知人の紹介や米屋さん等店頭で知った人が多い。
若年層での棚田米に対する評価は、そう高くはない。 しかし中高年層では、棚田米を
また買いたい、買ってもよいなど肯定評価が高かったとう報告は興味深かった。
一般消費者の方々に、まだまだ棚田米の存在そのものが浸透していないようです。

シンポジウムは、パネラーの報告後、討論会に移りました。

多くの活発な意見が続出し予定時刻をオーバー。たいへん盛り上がりました。


戻る