棚田学会
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棚田サミット
棚田サミット
棚田百選

京都府・伊根町
©寺坂美穂

第13回棚田サミット参加報告
江戸川区在住会員  伊東 春海

全国棚田(千枚田)サミットも、今回の茂木大会で13回を数え、喜ばしい限りである。

1.オープンセレモニー、開会式
棚田サミットのテーマソングに決まった「棚田へ行こう!」の子供達の合唱は、誠に素晴らしかった。ことに前開催地の日南市と、地元茂木町の子供達の棚田への熱い思いが、元気な歌声になって伝わってきた。
棚田の将来へつながる頼もしい企画であったと言える。
2.基調講演 栃木県知事
政策提言「広域連携で抜本的対策を!」につなげる意図は理解できるが、余りにも冗漫で今までの基調講演県の全国比較は、聞いていて情けなくなった。なぜなら、東京と100km圏内にあり、また東北地方につながるが故に、交通網も充足され、世界遺産日光をはじめ多くの観光資源ありで、地の利と歴史的ストックに恵まれたればこその、嘆きと言うほかない。
3..県内の事例発表
「棚田よ!地域と共に蘇れ!」の発表を聞いて、今まで若い人たちを信じてきた思いに、間違いないことを見事に証明してくれた。ここの保全活動の凄さ確かさは、地権者との交流にあったように思う。それによって、棚田や農業を取り巻く種々の問題のあることを、直に知ることができた。これが活動全ての起爆剤になっていた。
つぎは総合農業高校であったことである。一般の農業高校では取り組みにくい、棚田地形調査や生物自然調査、それに水田再生活動に棚田米新名物、森林間伐作業など、将来につながる活動まで展開していた。
棚田保全に暗雲を感じている多くの人達に、希望と勇気を与えてくれた。生徒と先生、それに地権者など地元の皆さんに、大きな万歳を贈りたい。

4.政策提言
県境を越えた市町の共働で、イノシシ被害対策「広域連携で抜本的対策を!」は、里山を取り巻く問題として、棚田保全と同心円の関係にあり、日本の農林業の危機を象徴していた。
テーマと言い、内容と言い、12市町職員の出演といい、今までにない楽しい企画であった。農家の甚大な被害を知るにつけ、問題の根幹は「山村の過疎化、高齢化による森林の荒廃がもたらす獣と人間の住み分けの崩壊」にあるわけで、まさに棚田保全の困難、そのもののような思いがした。
5.学校紹介
中川小学校の活動はテーマソング「棚田へ行こう」を彷佛とさせるもので、生き生きとしていて楽しく元気の出る活動報告であった。改めて大人が頑張らなければ、と痛感した次第。
まとめ「展望と発展」
(1)棚田百選を順にサミットを開催してきたが、自治体の合併や財政状況の逼迫など困難な問題が山積してきた。その意味で茂木大会は2町市共催という、今後の展望を示唆したものであった。
また、内容も県内、隣接県市町の共通問題を共働するという、かつてなかった試みもあり、サミット継続につながるものであった。それだけに棚田問題と離れたのは致し方ないと言えよう。
さらなる特徴は、愛泉太鼓や河井ささらなど、子供達の活躍に眼を見張るものがあり、元気が出る楽しさに希望を感じた。

(2)ひとつ気になったことは、主催者側の一方的発信が多く、議論を深める機会が少なかったことである。棚田サミット開催の意義は、棚田保全に対する共通の問題を理解するだけでなく、困難を乗り越える知恵を出し合うことにもある。
それは分科会が受け持っている。分科会の設営は主催者側だけでは難しく、専門的知識や経験者が必要である。その意味で棚田学会の係わり方が求められていたのではないだろうか。

 最後に棚田サミット茂木大会関係者に、心からのお礼を申し上げます。



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