《保水機能》
大部分の棚田は、河川や溜池を水源とする灌漑施設をもっています。日本では、国土の70%を占める山地に降った雨は、自然のままだとすぐに海へ流れ込んでしまいますが、棚田はこのような水を等高線に沿う用水路「横向きの川」といわれる)に取り入れ、すぐに流出させず、迂回、滞留させる役割を果たしています。
《洪水調整機能》
大雨時には、棚田やその背後の山林に降った雨の一部は棚田に貯留され「小さな治水ダム」の役割りを果たします。
仮に畦の高さを30㌢、普段の平均水深を3㌢とすると、全国の棚田の総面積は約22万1000㌶を掛けると、洪水調節容量は5.9億立方㍍となります。
これは黒部ダムの有効貯水量1.5億立方㍍のほぼ4倍にあたる量です。
《地すべり防止機能》
地すべりは、厚い粘土層に覆われた山間傾斜地などで、雨水が地下に浸透して発生します。地すべり地帯に拓かれた棚田は、田起こしや代かきなどの作業によって耕盤と呼ばれる土層を作り、地下への浸透水を減らします。
ところが、棚田が耕作放棄されると、耕盤が乾燥して亀裂が生じ、雪融けや大雨の時などに大量の水がこの亀裂から地下に浸透して、地すべりを誘発することがあります。 |