棚田には、構造的に法面(のりめん)を石で積んだ「石積の棚田」と土で固めた「土坡どは)の棚田」との二つに大別されます。東日本一帯に存在する土坡に対して、西日本一帯では石積みを主体に法面が築造されています。
棚田を造成する時に自然に出てくる野の石「野石」を積み上げて作った棚田が「石積みの棚田」です。 野石だけでは積み上げられないので、切石を挟んで積み上げました。切石を作るには鏨(たがね)が必要です。鏨は鎌倉初期に出現したので石積みの棚田は鎌倉時代以降に出現したのではと思われます。まず、「土坡の棚田」があって、後から「石積みの棚田」が出来たと推察されます。
稲作の歴史が古く、植える面積を広げるために土坡から石積みに造成し直す例も多くあります。 |

直線が力強い石積みの棚田
宮崎県日南市「坂元棚田」
©:坂元弘二
曲線が柔らかい土坡の棚田
高知県大豊町「八畝の棚田」
©:秀島信恵

棚田の形状には、歴史的には「迫田(さこだ)型棚田(凹状)」と「山田型棚田(凸状)」とに区分されます。
迫田は、山間の浅い谷にある水田です。浅い谷の一番奥まったところが傾斜になっており、そこに拓かれた水田は棚田状になっています。これを「迫田型棚田」と呼びます。
迫田は、古墳時代、飛鳥時代の大和の明日香に「土坡の棚田」として存在していたと言われています。
一方、「山田型棚田」は鎌倉末期から室町時代初期に、近畿地方を中心に山地斜面に出来たと言われています。 |
迫田型の棚田(栃木県茂木町)
©:石井新太郎

山田型の棚田(三重県熊野市「丸山千枚田」)
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